tomohappiestの日々是雑感

日常生活でのふとした出来事から大イベントまでその時感じたことを書いていこうと思っています!!

公務員革命

 公務員制度改革が叫ばれて久しい。人員削減の波は、何かと揶揄される公務員の世界も例外ではない。
 この不況で税収が伸び悩み、必然的に人員削減はどこの自治体でも大きな課題である。
 つい先日も職場に早期退職勧奨の通知が回ってきた。まだまだ給与体系は年功序列の恩恵を味わっている職員が多く存在する。
 
手前味噌ではないが、住民との距離が近い末端の自治体では、昔のイメージからはかなり改善されて接遇や住民サービスも向上している(はず)。
 
 しかし、人員や財政削減の折、自治体の職員だけでは住民満足を向上させるきめ細かな行政サービスは提供できない。民間でできる事は民間の力を借り、地域住民やNPO、民間企業とも協働しながら事業を実施していくことは必要不可欠となっている。
 しかし、そんな時代の流れに取り残され、決まった事はしっかりこなすがそれ以上のことには関心を持たない受身姿勢の公務員が存在するのも事実。もともと、それなり試験を突破してきたものなので潜在能力はあるはずなので、彼らの能力を使わない手はない。それには、モチベーションを上げて効率的に仕事をしてもらうかが経営者や管理職に問われる。
 
 いままで、公務員を批判するのが仕事のようなマスコミや本が多かったが、この本は、10年以上の公務員経験のある著者が、現状を打破するための方策を提言しており、職員の人材育成、能力開発のヒントになると思う。イメージ 1
 
 震災復興のために一生懸命働く公務員の姿からモチベーションが大きな原動力になると再認識した。使命感や利害関係なしに自発的に働くきっかけのヒントが隠されている。
 
 とはいえ、普段の仕事の中で高いモチベーションを継続して持ち続けることは、営業職などと違って成果が見えづらい公務員の場合は一筋縄ではいかない。
 また、サービスが低下しても、民間と違い競争原理が働かないので、批判されない程度の現状維持の仕事でも淘汰される危険性が少ないし、住民もサービスを選ぶ事ができない独占市場でもある。
 
 短期、長期の個人目標をたてPDCAで運営管理していくことや成功事例から学ぶコンピテンシーモデル、発想を逆転して失敗事例から学ぶ改善のヒントを学習する機会を設けることも必要だろう。
 本書では、モチベーションを高める仕掛けとして、承認欲求、権限の委譲(個人責任の明確化)、得意分野をのばす公募制の人事、FA制度、外部資源の導入、民間経験者採用、職員のマスコミ登場のアシスト、資格試験の奨励(サポート)などを法に触れない範囲で導入していく事を提言している。
 
 保育園や児童館、図書館、文化施設、スポーツ施設の運営など一昔前では公共の事業として独占していた分野も、指定管理者制度の導入で民間企業などが進出しており、民間と公務員の垣根が低くなっている。
 民間でできる事は民間にまかし、共同できるところは協働していき、残りの行政を公務員が担うという構図になる。これからは、ゼネラリストではなくスペシャリストな職員が重宝される時代になると思う。
 
 住民の声がある自治体は、改善する余地があり、やりがいも見出せるとも言える。苦情は宝ではないが指摘されているうちが花である。諦めの境地で何も言われなくなったら、破綻の道を歩むことになる。
 また、お褒めの声も職員にとってはやる気の源にもなるので、是非声にして欲しい。また、建設的な意見は大歓迎で、今後の施策を実行していく上でも大いに役立つ。特に議員は、役所批判だけでなく、住民の代表として、地域の声を集めて、自分が首長だとしてこうすべきだという具体的な提案(代案)をしてもらいたい。
 その前提として、役所はいいことも悪いことも自治体の政策や予算などを住民にわかりやすく情報公開していくことが住民の信頼を得る最初の一歩だろう。
 
  スーパー公務員になれなくても、誰(住民)のために仕事をしているということを忘れず、叱咤激励を受けながら失敗成功を繰り返しつつスパイラルアップし、仕事を通じて人間的にも成長していきたいと思う。
 
(参考)