tomohappiestの日々是雑感

日常生活でのふとした出来事から大イベントまでその時感じたことを書いていこうと思っています!!

小説との出会い(お勧め本)

私は、読書があまり好きではなかった。小さい頃から、スポーツ少年で、外で遊ぶか、工作や将棋、ルービックキューブなど目に見えるものを頭と体を使って実践することが好きだった。
おかげで、理数系は得意だったが、文学とは縁遠く、国語の成績はいつも悪かった。
しかし、高校生の時に転機(1冊の本との出会い)があった。あれは、学校の図書館で放課後勉強していて休憩中の時だった。
たまたま手にした本が、三浦綾子氏の「氷点」。なんとなく読み始めたが、いつの間にか勉強そっちのけで読みふけってしまったことを昨日のことのように覚えている。

 キリスト教心境に基づく汝の敵を愛せや右の頬を打たれたら左の頬を出すなど、自己犠牲や友愛主義(最近もどなたかが唱えている)など、物語を通じて理解することができた。
 自分が主人公の立場で感情移入しているので、手に取るように主人公の苦悩がわかる。
 妻(辻口典子)が、夏のある昼下がり、まだ幼いルリ子の目を離し、夫の同僚医師と不貞を働き、その間にるり子が何者かに殺されてし舞うところからこの物語が始まる。
 自分のせいで子どもを守ってやれなかったと自責の念に駆られるが、夫には言えない。
 夫もうすうす感づいていて、妻への復讐を始める。夫は、るり子を殺されたと言われている左石の子どもで、るり子そっくりの陽子を親友の孤児院院長から受かる。
 子どもを亡くし悲しみに打ちひしがれる妻典子のために、るり子似の子どもをもらってきたといって育てるが、実は犯罪者の娘であり、それを知った時の妻のショックを思い浮かべ復讐をたくらんでいた。
 何も知らず、妻は陽子をるり子の生まれ変わりだと大切に育てるが、ある時、その事実を知ってしまい、夫を恨むと共に、陽子への復習(意地悪)が始まる・・。
 物語はまだ続くが、「汝の敵を愛せるか」がこの物語の原題。純粋(?)な高校生にとってとても衝撃的な物語だったことを今でも鮮明に覚えている。
続きがきになった方は、本を読みましょう。

 つぎに衝撃を受けたのは、夏目漱石の心。

前半は、主に主人公と「先生」の交流、後半は先生からの手紙で構成されている。
先生にはKという親友がいるが、Kから恋を打ち明けられた時、先生は学業に対する意思の弱さを叱責し、諦めるように仕向けた。
 しかし、実際は、先生もその相手のことが好きだったからであり、結局Kを裏切った形で二人は結ばれる。
 それを知った夜、Kは自殺してしまい、その理由はKの恋を知る先生しか知らない。
先生は長年自分の心の醜さを呪い続け、また妻を見ては自分が殺した親友を思い出し、結局自殺してしまう。

 「こころ」と主題は同じような作品であるが、武者小路実篤の友情も衝撃を受けた作品だった。
本があまり好きでなかった当時、薄い本で、これも図書館で勉強している時の休憩がてらに手にした本だったと記憶している。
 
 脚本家野島と、新進作家の大宮は、厚い友情で結ばれている。
野島は大宮のいとこの友人の杉子を熱愛し、大宮に助力を願うが、大宮に心惹かれる杉子は野島の愛を拒否し、パリに去った大宮に愛の手紙を送る。
野島は失恋の苦しみに耐え、仕事の上で大宮と決闘しようと誓う――青春時代における友情と恋愛との相克をきめこまかく描き、時代を超えて読みつがれる武者小路文学の代表作。友情と恋について考えさせられた。永遠のテーマなのかもしれない。

 また、大学時代には、イングリッドバーグマンとハンフリーボガード主演の名作「カサブランカ」を見て、ダンディズムとはなにかを考えさせられた。
 昔から、男女の恋愛は、究極の小説の題材である。それだけ、いろいろな恋愛の形があり、恋に悩んできたということだろう。
 かく言う私も、もっと悩んでみたいのだが、最近は、仕事に追われ、なかなかそういう気分になれないのが悲しい。
 だから、映画やドラマを見て疑似体験をしているのかな(悲)・・とふと我に返ってしまった。

【お勧めの本】
夏目漱石
こころ

三浦綾子
氷点(上・下)
塩狩峠