私がコミュニケーションについてとても興味があることは、以前にも公表した。
コミュニケーンの方法はいろいろあるが、今回は面と向かっての会話について考えてみた。
メールや電話でのコミュニケーションでは、相手の反応がすぐには読み取れない。声の調子や文体から多少はわかるのかもしれないが、その場で表情や仕草などはわからない。
もちろん面と向かって会話していても、果たして実際のところどう思っているのか、読み取れないこともしばしば起こる。友人知人など気心の知れている人ならば、大体反応を見れば、なんとなく何を思っているのか読み取れるが、まったくの他人となると難しい。
仕事柄、他人の相談にのることが多いが、コミュニケーションがなかなか成立しなかったり、相手から情報を引き出すのに苦労することがある。しかも、初対面の相手から短い時間で主訴や現状などを訊かなければならない。
そこで、図書館で何かいい本がないか探していたら、斉藤孝さんの「質問力」及び[コーチング入門]という本があったので読んでみた。
質問力をつける(質問を工夫する)ことで、初対面の相手が話しやすくなったり、、こちらが知りたいことを聞きだすことができるそうだ。世間一般で言われているコミュニケーションのテクニックは次の①~⑥のことが挙げられる。
①事実関係を確認するとき意外はクローズド(YES、NO)クエスチョンではなく、オープンクエスチョン ②話をうながす(それで、それから、具体的にはなど)。
③相手の答えたことを短くまとめ、話の内容を確認してから的を得た質問をする。
④相手のことをよく調べて、興味や関心などを事前に把握する。(初対面では難しい場合もある)
⑤相手が話しているときにところどころで相槌をいれることで、話を聞いているという安心感を与 える。
⑥ペーシング(同調行為)をおこなう。具体的には、①同じ言葉を繰り返す ②姿勢(同じポーズをと る、視線を相手の目の上辺りに置くなど。
⑦途中で否定しない。
特に、①~③は質問力が問われてくると思う。
ちなみに、実際のコミュニケーションでは、7%言語(言葉・内容)、93%非言語【(聴覚:声のトーン、抑揚など 38%)、(視覚:表情、視線、態度など 55%)】と言われている。
齋藤氏は、著書によると、大学の授業で「質問力ゲーム」を行っているそうだ。
★ゲームの方法
(1)40人の学生を5×8チームに分け、1つのチームが前に出て順番に自分の好みの本や趣味につい て2分程度で話す。
(2)各グループは5人のメンバーに①~⑤の番号をつけ、①番が発表した後に、他のグループの1番の 方7人が全員立って、発表内容に関して1つずつ質問をする。それも、早いもの順で、質問し、終わ ったものから座っていく。以下②~⑤も同様に行う。
(3)発表者が、同じ番号の7人の質問の中から『もっともすぐれた質問』を選び、選ばれたグループに
1点が入る。そして、⑤番まで発表が終わったところで最も得点の高いチームが優勝となる。
このゲームを通じて、こういう角度からの質問もあるかとか、私が発表者だったらこの質問を優れた質問には選ばないとか「いろいろ考えさせられる。ゲームを通じて、自然と相手の情報を引き出すような話しやすい質問を考えるようになるとのこと。記者や医師やカウンセラーなど、相手から情報を引き出したり、相手の相談にのるのが仕事の人には参考になると思う。
★すぐれた質問とは、
①具体的で本質を突いたもので、相手の考えや経験などを引き出せるもの
②相手の状況、趣味、関心を推し量って、質問者の興味や関心とすり合わせているもの
たまに、TV番組のインタビューを聴いていると、あたり前のこと(答えが容易に想定できること)ばかり訊いていて、視聴者をがっかりさせることがある。インタビュー相手が初対面の方という想定で考えると、アスリートへのインタビューでは、この質問力が大いに問われる。
次にコーチング(コーチの語源である(大切な物や人を、その人が望むところまで送り届ける)言葉通りに「お客さまの大切な夢や目標を、その人が望むところまで行けるように一緒に歩む、時に一緒に走る」)のスキルについて本を読んで学んだことをまとめると以下のとおり。
これらは、職場の新人育成担当者や管理職、先生、コーチなど、上に立つものに必要不可欠な能力だろう。
【承認・認知のスキル】
モチベーションをサポートする⇒「相手の存在そのものを認める」
普段どんな言葉で相手にかかわり、相手のモチベーションをサポートしているか
●認める・誉める言葉
EX:私もそう思う。すばらしい。段取りがいいね。面白い発想だね。いろいろ工夫しているね。さすが●●さん。いいですね。
●力づけ・励まし・勇気付ける言葉
EX:一緒にがんばろう。大丈夫、あなたは打たれ強い。君の頑張りを見てきたよ。打つ手はまだある。悩みながら人は成長する。努力は無駄にならないよ。これからが勝負。失敗は成功のもと。
●明るく積極的な言葉
EX:前向きで行こう。なせばなんとかなる。このチャンスを活かそう。さあ、一息入れて気持ちをいかそう。ピンチはチャンス。いけるところまでいこう。追い風だよ。
・あなたは、すぐにいくつか出てきましたか。普段から使っていないとなかなか思い浮かばないとのこと。
【相手に気持ちを伝えるメッセージの伝え方】
あなたメッセージ:明るい人だね。×
私メッセージ:私は、あなたの明るさを見ていると元気になれるよ。○
私たちメッセージ:あなたの明るさはチームを良いムードにしてくれるね。○
●私メッセージ・私たちメッセージを意識する。
●具体的事実を明確に伝える。タイミングよく心から伝える。
○プラスのフィードバック:誉める、認める、力づける、明るく、積極的
○マイナスのフィードバック:しかる(良くなってほしいから)
○情報のフィードバック:知らないことを教えてあげる
×フィードバックなし:黙殺
【相手の可能性や能力を引き出すための効果的な問いかけ】
質問のスキル: オープンクエスチョンVSクローズドクエスチョン
肯定質問VS否定質問
未来質門VS過去質問
オープンクエスチョン(ど・な)+肯定質問
・どんな ・どうして ・どこで ・どのように ・どれくらい ・どう ・どれ ・どこ
・どの ・なんのために ・なに
肯定質問
・できる ・する ・やる ・おこなう ・ある ・おもう ・かんがえる ・ためす
・うごく ・すすめる ・あつめる ・うまくいく ・とりかかる ・はじめる
課題は未来にある。
*コーチングでは資源〔相手の情報〕を訊くときのみ過去質問。
●過去+否・・詰問になってしまう×
EX:なぜ話し合わなかったのですか×(過去+否)
どうしたらやれたか○
どうしたらお客様の要望を受け入れられるのか○
まとめ
①頭に「ど」「な」のつく質問(オープンクエスチョン)を多めにする。
②未来質問を多めにする。
③肯定質問をする。
④「詰問」をさける。「WHY YOU」には注意が必要。
最後に、下記の質問の答えを考えてもらいたい。
Q1 今までであった人間関係で、コミュニケーションでモデルにしたい人は誰ですか。
Q2 その人はどんなコミュニケーションができる人ですか。
誰が浮かんだだろうか。浮かんだ数が多い人ほど、まね(学び)ながらテクニックを身につけるチャンスが多い人だろう。
PS:早速明日から公私に渡って実践してみよう。きっと仕事も円滑に進むようになると思う・・。