tomohappiestの日々是雑感

日常生活でのふとした出来事から大イベントまでその時感じたことを書いていこうと思っています!!

「笑われ力」を読んで(感想)

 最近、週末にブログを書こうと決めているからか、通勤電車の中や寝る前など隙間時間に簡単に読める本を手に取る習慣が身についてきた。
 じっくり中身を味わいながらと言いたいところだが、年度末で仕事に追われ(残業も多く)、なかなか時間が取れない。
 そこで、必然的に、隙間時間に気軽に読める本へたどり着いていた。(帰宅後に、疲れた目や頭の状態でパソコンやTVにむかう気にはならない)
 
 最近、お笑いブームに少しかげりが見え始めてきたが、仕事でもプライベートでも笑いがないと息が詰まって、いいコミュニケーションが図れないと感じている。お笑い芸人のような人を笑わせるという立場ではなく、自然といいコミュニケーションが図れる笑いとはなんだろうという疑問をずっと持っていた。
 私の職場にも、駄洒落が好きな先輩がいるが、内容はさておき、くすっとした笑いがおき、気持ちが軽くなる。(仕事柄、気が重くなることも多々ある職場なので・・)
 このような、心地よい人間関係を築く笑いやコミュニケーションにはすごく興味があるので知りたくなった。
 
 それとは逆に、悲しいか我が職場でも誰かを非難することで笑いが起きることもある。こういうとき、無視することが多いのだが、なんとなく気まずし空気が流れる。同じ笑いでも、性質が異なり、いたたまれなく思うことが多々あった。大人のいじめに近いのかもしれない。イメージ 1
 
 そんな疑問を解消してくれたのが「笑われ力(太田 敏正著)」だった。
 監修も石原壮一郎氏で、「大人力検定」などで有名な人。これは期待できると思って読み進めた。
 著書では、後者を「邪悪な笑い」と定義している。
 自分より弱いものを貶めて、みんなでからかう笑いだそうだ。 笑われた人はもちろん不快な気持ちになる。しかし笑った人と笑われた人の距離が縮まることもなく、笑いを誘った人、笑った人と笑われた人の距離が縮まることはない。
 また笑った人同士でも仲間意識は生まれず、むしろ「いつか自分も餌食になるかもしれない」と乾いた関係のきっかけとなりやすく、警戒心を抱かせる。笑いを誘った人は、「してやったり!」と喜んでみても、結局は人柄を下げてしまう。他人をネタに笑いをとったところで、本当に目指したいと思う、「心地よい人間関係」には程遠といっている。
 
 確かにそのとおりだと痛感している。邪悪な笑いをさそっっているほうは、心地よいのかもしれないが、周りの人間はリアクションをとるのに苦労するし、なにより、ターゲットになった人は決していい気分にはならないだろう。自分だけWINで、周りはLOSE(不快)では、職場のモチベーションが下がったり、人間関係に悪い影響を与え、全体としてはマイナスの状態になってしまう。
 
 お笑いのプロでない人が、マイナスではなく現状よりプラスにする笑いとはなんだろうか。
 本書は、コミュニケーションを潤わせる笑いとは他人を論う(あげつらう)ことなしに、むしろ自らの失敗談などから自分をネタに話すことによって、その場に笑いを誘い、自分のことにも理解を深めてもらう、「笑われる」テクニックを紹介している。
 
 「笑わせる」ことではなく、結果として「笑われる」、すなわち人間関係の潤滑油となる「笑われ力」の必要を訴えている。 
 「笑われ力」を一言で言うと、自分の弱さみっともなさをさらけ出し、「クスツ」と笑ってもらうことで周りから「わかる」という同意や仲間意識が醸成される力のことだそうだ。
 あくまでも、素の自分をさらけでして笑ってもらうというスタンスが大事で、その場だけ面白いという人ではなく、あの人といると和めるとかなんとなく楽と思われる人が本当の意味での人気者だそうだ。
 
 友人や恋人同士でも夫婦間でも職場でも、ないと絶対にいやなものはなんだろうか。
 尊敬、信頼関係、刺激などいくつか挙がるが、究極的には「心地よい人間関係」すなわち笑いがないとうまくいかない。
 著者は、カラオケボックスで友人同士、笑わせてはいけない、笑ってはいけないというルールで部屋にいてもらった場合、15分と持たないといっている。笑いが、人間関係を円滑にするのに必要不可欠なものであることがわかるとのこと。
 
 笑いは、我々の生活に必要で、音楽同様、言葉がわからなくても通じるコミュニケーションの1つだと思う。
 
 海外旅行等で言葉の通じない外国人と接していると、気苦労も多いのだが、言葉が通じなくても、パントマイムや手品や大道芸など、言葉の要らないコミュニケーションでも同じつぼで笑いが起きると和やかでフレンドリーな気分(心地よい人間関係)になる。
 
 少し話しずれるが、言葉が通じなくても理解できるドリフターズのコントは、世界でも通じる笑いだと思う。子供の頃毎週土曜日が楽しみだったし、今でも志村けんなど、アジアでは人気者で尊敬されている。
 そして、私が尊敬するチャップリンは、言わずもがなだろう。つい最近では、ミスタービーンの映画を見て、大いに笑わせてもらった。(音声なしで)
 お笑いの素人が言うのは気が引けるが、最近のお笑い芸人も、パントマイム(言葉なしの笑い)を磨いたら、さらにステップアップするのではと思う。(イロモネアで、こんなパフォーマンスがあったと思うが・・)
  
 
 対人関係が苦手な人、自分自身がよくわからない人、ビジネスで頭がいっぱいな人、異性関係が苦手な人はこの本を読むことを著者は勧めしている。
 笑われ力のテクニックについては、この本を読めば学べると思う。
 実例も豊富で、個人的にはビジネスシーンでの笑われ力検定は大いに参考になった。