昨夜、サンデル教授の特別授業を視聴した。お題は究極の選択「お金で買えるもの 買えないもの」 。
経済の効率性と道徳(善)が衝突するジレンマに関する質問をいくつか投げかけた。
生育環境や人生観、宗教などもかかわり賛否が分かれる質問で、大いに悩まされた。
Q1．もし子どもが授からず、代理母になってくれる方がいてお金で契約し生まれた子どもを育てることを国の法律で合法化することについてどう思うか。
Q２．国の危機にかかわる福島原子力発電所の復旧作業を実施するため、法制化して抽選徴兵制を導入した。抽選の結果あなたの家族が行くことになったが、お金で他人が任務を肩代わりしてもらえるならお願いするか。
Q1,Q2とも当事者の効用を満たすためにお金で売買することは経済的な活動と考えるか、道徳的に正しい行為なのか(肩代わりした人の生命の危険や感情を察すると非人道的な行為？)が衝突する。
相手を生命にかかわる犠牲をしいることになっても、双方の合意で契約が成立すれば許される行為なのか。
生命、教育などをお金という価値で評価(売買)することがどうなのか。
Q1への質疑では、参加者の学生が、代理母と売春婦はお金の見返りに相手に効用を与えるという点で変わらないのではと疑問を投げかけていた。さらに女性の地位を下げる事へも繋がると危惧していた。
その一方で、自分たちの血のつながりのある子供がどうしてもほしい夫婦にとっては、子どもを持てるチャンスがあるならば、なんとしてでも欲しいと思うのも当事者であればわからなくはない。
こうやって、自分のこととして頭を使って世の中の矛盾に向き合うことで、社会を考えるきっかけになるのなら、大いに悩むことも必要なのかな。
