フィギュアスケートのグランプリファイナルの戦いが終わった。
今年の大会はその年の世界一を決めるだけではなく、日本の代表にとってはバンクーバーオリンピックの代表がかかったいつもとは違う位置づけの大会だった。
選手にとってはここで表彰台の上って日本選手１位になればオリンピックの代表に内定する。守りに入りたいところだろうが、オリンピック本番でメダルを取りに行くならば、本来の選手自身の持ち味を出せなければ、オリンピックの緊張した（しかもアウェー）雰囲気の中で実力を発揮することは難しいだろう。
そんな中、女子では安藤選手、鈴木選手とも持ち味の表現力もアピールし、ミスも少なく演技でき表彰台に登った。これに安心することなく実力を発揮し全日本選手権で優勝争いに残らないようであれば、安藤選手のオリンピックの表彰台の可能性は限りなく低いだろう。
鈴木選手は、今回の実績を自信にして、思い切って今ある力を発揮できれば、オリンピックへの道も開かれるだろう。
浅田選手をはじめ、村主選手、中野選手などオリンピック出場に並々ならぬ決意を持った選手が控えており、残り２つの席を巡る代表争いは熾烈となる。
守りに入ることなく、平常心で自分の実力を発揮できた選手がオリンピック代表になると思う。
男子は、まだ完全復調とはいえないが高橋選手が怪我から復活し、オリンピックの代表争いに間に合った。グランプリファイナルのフリーではミスが目立ったが、きっと全日本選手権では、修正してくるだろう。オリンピックでもメダルが取れる実力を兼ね備えている選手なので、大いに期待している。
織田選手は、数年前の酒酔い運転での謹慎処分から復活し、グランプリファイナルで優勝してオリンピック代表を手に入れた。表現力に磨きがかかり、多少ミスをしてカバーできるだけの実力が備わってきた。
代表枠が３人になったことで、成長著しい小塚選手など若手にもチャンスはある。全日本選手権は、選手の意地とプライドをかけた戦いになる。選手には、普段通りの実力を遺憾なく発揮して、高得点での代表争いを期待したい。オリンピックの代表、そしてオリンピックでの表彰台は、実力と運（プラスアルファー）を兼ね備えたものに輝くのだろう。きっと・・。
