トリノオリンピックでの荒川静香選手のツーランドットの演技から早4年がたった。
トリノでオリンピックの重圧などに負けて自分の実力が出し切らなかった選手や自己記録に近い記録は出せたものの、世界との差があり勝負にならなかった選手など悔しい思いをした選手が多かったと思う。
この4年間、悔しさともっと上手くなりたいという向上心をもって、時にはスランプや失敗も経験しながらバンクーバーの地に立てた選手の努力に尊敬の念を抱く。若い世代の追い上げもあったと思うが、そこに打ち勝って代表の座を得たのだから自身を持って競技に挑んでもらいたい。
また、初出場の若い選手には、失うものは何も無いので、思いっきり今もっている実力を発揮して自己ベスト更新を目指してもらいたい。
フィギュアスケートに関しては、大ファンで以前にも感想を書いているのでここでは省略して、正直、競技としてはそれほど興味はないが、モーグルの上村愛子選手に注目している。
マスコミ報道などで知っている方も多いと思うが、彼女にとっては今回が4回目の(もしかしたら最後の)オリンピック。
地元の長野のオリンピックで18歳で7位入賞して、一躍有名人になり、その後、ソルトレーク五輪で6位、トリノ五輪で5位と徐々に表彰台に近づいてきた。
その間、ルールの改正があったりもして不利なこともあったが、一昨年は、ワールドカップのチャンピオンとなり、世界のトップ入りを果たした。
彼女の実力が発揮できれば表彰台も夢ではない。しかし、彼女のモーグルとの出会いや今までのモーグル人生を見ていると、とにかく、自分の今までの滑りができたらそれでいいと思っている。結果は後からついてくるし、自己ベストのスコアを出しても、他の選手がそれを上回ることだってある。
小学校からいじめにあって、スキー部を辞めて、中学2年の冬(1993年末)に『自分の好きなことに目覚めてほしい。得意なことがあれば、生きることにも自信が持てる』という母の思いもあって、以前実家のペンションで働いていた人の伝でバンクーバーの地に降り立った。
2週間、今回のモーグル会場になるウィスラーまで、バスで通い、1日中スキーを滑っていたそうだ。ところが、スキー板が盗まれて、モーグル用の板をプレゼントされ、またその当時、モーグルのワールドカップがここで開催されていた偶然も重なり、モーグルの魅力にはまっていったとのこと。
バンクーバーやウィスラーは彼女にとってモーグルとの出会いの地。
荒川静香選手が、トリノオリンピックのフリーの演技で演じるツーランドットを開会式でババロッティが歌ったのを知って、運命的なものを感じると言っていたが、上村選手にとってもバンクーバーは彼女のモーグル人生のきっかけとなった思い出の地であり、運命的なものを感じるのは私だけだろうか。
私の持論で、「努力は必ず報われるとは限らないが、今までの経験は、絶対に今後の人生に活かせる時が来る」と思っている。
もう何時間後かには、滑り終わっているが、自分が納得いく(普段どおりの実力を出し切って、笑顔でゴールしてくれたらと願わずにはいられない。
TVで彼女の演技をしっかり見届けたいと思う。
これから2週間、オリンピック中継を見るために寝不足の日々が続きそうだ・・。
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●フィギュアスケート日本代表決定
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