tomohappiestの日々是雑感

日常生活でのふとした出来事から大イベントまでその時感じたことを書いていこうと思っています!!

梅観賞のすすめ

 今年は、奈良の都の平城京から1300年の記念すべき年。
 東京では、今、梅が見頃を迎えている。
 先日、日本経済新聞のアンケートで、徳川御三家紀州や水戸(偕楽園)を押さえ、吉野梅郷(東京都青梅市)が最も訪れてみたい梅見の場所の1位に選ばれた。
 
 私は、ここ10年、毎年、この時季に青梅梅郷を訪れている。地球温暖化の影響なのか、このところ見ごろを過ぎてしまってから行くことが多かったが、果たして今年は・・。イメージ 1
 
 ご覧のとおり今が満開。筆舌に尽くしがたい絶景だった。日頃の行いがいいからだろうか
 梅の公園までの道のりを歩いていると、梅の香ばしい匂いが漂っていて、心が癒された。
 匂いは、体をリラックスさせたり、気分を高めたりする効果があるというのは、アロマセラピーなどが流行していることからもはっきりしている。
 梅の花は、視角と嗅覚に訴えるものがある。おそらく、古から、人々は梅を観賞して、風流を楽しんでいたことが想像できる。
 
 今では、桜が日本の国花であるが、奈良時代万葉集の頃)までは、花といえば梅だったということをご存知だろうか。イメージ 2
 色鮮やかで、明るい雰囲気をかもし出し、散りぎわの桜吹雪など風流を感じる桜に比べ、なんとなく華やかさにかけるイメージをお持ちの方も多いと思う。しかし、梅の花もたくさん集まると、桜に負けず、色鮮やかで美しい。梅一輪の趣きは言うまでもないが・・。
 一般的には、桜は、大勢で賑やかに鑑賞し、梅は、少人数で静かに観賞するイメージがあるが、観賞のしかたは人それぞれ。
 昔は、大人数で花より団子(お酒)だったが、最近は、少人数で団子より花を好むようになってきた。もちろん両方楽しむのが乙な生き方なのだろう。
 今年の花見は、是非、パートナーとも楽しめたらと思う。(願望
 
*梅の歴史 
 梅は東アジアだけに生育し、中国が原産地だといわれている。日本へは約1500年前、薬用の“烏梅(ウバイ)”として伝来、これは青梅を薫製・乾燥したもので、現在でも漢方薬のひとつになっている。ウメの語源は「熟む実」「うつくしくめずらしい」からきた語と言われている。
 奈良・平安時代の貴族は観賞用、薬用に競って自邸に植樹した。渡来当初、実は生菓子にして食べていたが、効用が知れるに従って長期保存ができる塩漬法が考え出された。
 塩漬が“梅ぼし”として書物にはじめて登場したのが平安中期。村上天皇が梅ぼしとコブ入り茶で病が平癒されたことや、日本最古の医学書『医心方』にもその名が記されている。
 
 鎌倉時代、梅ぼしは僧家の点心やおやつで、室町時代に入りやっと武家の食膳にものぼるようになる。
 
 室町から戦国時代にかけては、見るだけで唾液を催す食欲亢進剤としての役割や、戦場での息切れ防止薬として使われていた。
   
 梅ぼしが一般の家庭に普及したのは江戸に入ってから。幕府が梅を植えることを奨励し、江戸中期には冬が近づくと梅ぼし売りが、納豆売りや豆腐売りと同じように、街を呼び歩き冬を告げる風物となった。イメージ 3
 
 明治になり、明治十年から二十年代にかけて全国的に流行したコレラ赤痢の予防・治療に梅ぼしが用いられ、日清・日露戦争でも重要な軍糧として活躍した。
 
 現代でも、疲れたときや滋養強壮に絶大な効果を発揮し、風邪を引いたときなどにお世話になっている。

*なんでも梅学
 
*吉野梅郷(東京都青梅市)写真