tomohappiestの日々是雑感

日常生活でのふとした出来事から大イベントまでその時感じたことを書いていこうと思っています!!

真夏の世の悪夢を繰り返さないように・・

  先週から、世間では、お盆の時季で、夏休みモード全開だったが、私(たちの職場)は、世間とは裏腹に、日々相談者の対応に追われていた。 通勤は快速(適)だったが・・(笑)。
 
 熱中症で連日病院に運ばれる方や、なかには亡くなられる方もいて、自然の猛威の恐ろしさとともに我が仕事にも限界があることも痛感させられる。とくに、ライフライン(電気、ガス、水道など)や衣食住に困っていた方だとニュース報道などで知ったときは・・。
 
 特に救命や人の命を預かる仕事に携わる方たちや九死に一生を得た方などは、日々自問自答しながら、安全管理、命の尊さ、健康のありがたさなど痛感しながらお仕事(生活)されているのだろうが、私の仕事(生活相談)も、未然に命を救い、生きる力を取り戻すための仕事なのだと再認識した。
 
 というのも、世の中には、人に言いづらいいろいろな事情を抱え、1人で悩んでいる方がたくさんいる。
 なかには、周りの方に恵まれ、いままで生きてきてつらいことはほとんどないという方もいるかもしれない。それはそれで、幸運なのかもしれないが、人の行く末は誰もわからず、いつどうなるかわからない。
 また、不況による経済の悪循環が、人々の生活や心にも変化をもたらし、世の中生きづらい状況になっているのか、国内で自ら命を絶ってしまう方も、ここ10年以上、毎年3万人を超えている。
 核家族化が進み、昔のように隣近所で助け合うといった地域コミュニティーが崩壊しているからだというのは簡単だが、そうであれば、自治体や地域と連携して、いつでも相談できる助け合える環境を作っていく努力をしていかなければいけないのではと思う。
 
 今まで元気だった人が、突然、交通事故にあったり、交通機関に乗っていて事故に巻き込まれたり、上から物が落ちてきて・・など予測が不可能な出来事もいつでも起きうる。
 また、安定した会社に勤めたつもりが、倒産してしまったりと。もちろん、リスクを低くすることはできるかもしれないが、世の中からなくすことはできない。
 自己責任だけではなく、突発的な事故や事件や病気や周りの環境がもたらすことで、状態が激変することは、いつ自分のみに起こっても不思議ではない。(だから、保険制度が存在するのだろう)
 
 借金、病気、失業、家庭内暴力、家庭関係、 いじめ、大切な人との永遠の別れなどによる喪失感や失望、嫌世感,、恨み、妬みなどの感情がおこり、耐え切れなくなって大きな事件(悲劇)へと発展していくケースが日常起きている。
  
 心理学などでは、人は悩み苦しんでいるときに、何かしらのサインを出しているとよく言われるが、それが読み取れずに、後悔してしまうことが多々ある。
 少なくても、私の仕事は、相談者がわざわざ足を運んできてSOSを出してくれている。相談に来るまでかなり葛藤があった方も多いので、まずは傾聴して相談者に寄り添い、緊急度を確認し、現状把握に努め、問題点を明らかにし、問題を解決するためのできるだけ具体的な方策(選択肢など)を示し、今後のとるべき道を助言することが大切なことだと思っている。
 私自身、すべての困難ケースを経験しているわけではないので、相談者の気持ちをすべて理解することは不可能だが、聞き役に回り、つらい気持ちを少しでも分かち合いたい心掛けている。(傾聴することは、言うは易しだが、忍耐力が必要であり、なかなか実行できない・・)
 
 相談といっても、1つの要素だけではなく多岐に渡ることが多い。解決策を出すためには、医師、看護師、警察、ケアマネージャー介護、児童福祉、障害福祉精神保健福祉士、弁護士、NPO、役所、学校、親族の方など、いろいろな関係機関や人と連携していかなければ、解決不可能な事柄が多い。
 
  助言は適格でないと、かえって相談者を混乱させてしまい、取り返しのつかない悪い方向へと導いてしまうこともある。
 そのために、日々、最新の法律知識(他法他施策)や過去の成功・失敗事例の研究や関係機関との連携が重要なポイントとなる。
 とくに、ちょっとした失敗(あのとき、こういう助言をしておけばよかったなど)したことは、今後も同じような相談ケースに出くわすことがけっこうある。必ず整理して記録に残し、いつでも振り返ることができるようにしておくことが大切だと痛感している二度あることは三度あるではないが、何の対策もしないと人間は必ずといっていいほど同じような過ちを繰り返したり、もっと重大な過ちにつながることがあると経験則で痛感している。(ハインリッヒの法則参照)
 
 我々の仕事は、法律や条例、規則に基づいて行われているので限界はあるが、法に触れない範囲で、フレキシブルに運用していくことも必要なことだと思っている。
 個人の能力開発は、どんな仕事でも必要なことではあるが、スーパーマンではないので、不得手な部分は必ずある。そこを補っていくのが、まずは、同じチームで働く職場の同僚や上司などとの連携(チーム力)だと思っている。普段から、報告・連絡・相談しやすい環境を作っておくことが、個人の力の相乗効果を生み、サッカーの日本代表のようにチーム力が向上していくのだろう。
 そのことが、働きやすい職場、すなわち我々の最大の目標である相談者の問題解決へつながる近道だと思っている。
 
 この仕事をしていて痛感するのは、人は1人では生きていけない。いろいろな方の支援や助けがあって、見守られながら生きているということ。自助努力だけでは限界がある。家庭生活同様、喜びも怒りも悲しみも楽しみも、周りの力も借りて、相乗効果で新たな価値を見出し乗り切っていけると信じたい。
 
★ハインリッヒ(1:29:300)の法則
 アメリカの技師ハインリッヒが発表した法則で、労働災害の事例の統計を分析した結果、導き出されたもの。「1件の重大災害(死亡・重傷)が発生する背景に、29件の軽傷事故と300件のヒヤリ・ハットがある。」という警告として、よく安全活動の中で出てくる。
 いつもやっていることだから、今までも平気だったので……、という行為が、いつヒヤリ・ハットを飛び越え一気に重大災害になるとも限らない。いつやって来るか分からない災害を未然に防ぐには、不安全な状態や行為を認識し、ヒヤリ・ハットの段階で地道に対策を考え、実施していくことが重要だということ。