生活相談という仕事柄、人生のライフプランについての知識も問われることが多い。
といっても自治体職員なので、資産運用などに関することはアドバイスできないが、「年金」「保険(失業、傷病など)」「税金」「不動産」「相続・贈与」については、特に知識がないと、適切な助言(専門的なことは、各専門の部署へつなぐこと)ができない。
生活は、各ライフステージにおいて収入と支出のバランスをうまく図ることが大切だが、今現在および将来かかるであろう費用と収入(不況下では、これの確保が難しい・・)を把握することからはじめなければならない。
現状や将来予測を踏まえて、どうすれば、最低限(余裕のある)の生活を営んでいけるかが見えてくる。
ただし、将来予測は不確定要素が多いので、楽観的に見積もると後でこんなはずではなかったということがおきかねない。
そこで、収入増や健康状態など予想通りにいかない場合でも、収入を補ってくれる公的な制度などを知っているといざというとき安心だろう。
もちろん、弁護士や社会保険労務士やファイナンシャルプランナーなどに相談すれば解決することなのかもしれないが、けっこう費用がかかる。
とはいえ、すべての知識を網羅しているわけではないので、本当に適切な助言(関連部署につなぐことも含む)ができたか、私自身自問自答することもある。
最近は、新卒はもちろん既卒も含めた若者や失業中の方の就職難やいろいろな理由(年齢による解雇や病気が多い)で失業した方が多く相談に訪れる。
そこで、もっと知識を増やす必要性を感じていたときに、ふと定年力検定というものがあるのを書店で知った。
資産運用を含め、定年後の人生を充実して過ごすための力を養うことができるようだ。協会では、定年力を「定年という区切りを迎え、豊かで充実したセカンドライフを過ごすために、最低限必要な、経済的な基礎知識力のこと」と定義している。
ちなみに、生命保険文化センターが、平成16年度に行った調査では、ゆとりのある老後生活をおくるためには、夫婦で月収約38万円、老後の最低日常生活費は、夫婦で月収約24万円となっている。 (定年力検定の過去問でもある)
私もいつかは定年を迎える(できることなら病気をしないで、その日を迎えたいが・・)ので、仕事を離れたとしても役立つ内容なので、一石二鳥と思い勉強し始めた。けっこう普段お仕事で相談者から聞かれる内容も多く出題されていた。
一時的に町おこしのブームの火付け役となったご当地検定とは違い、自分の人生(生活)に役立つ内容だ。定年退職を控えた方やもうすでに退職されている方だけでなく、若い人でも(私は自称若者だが・・)受験できるので、人生勉強のきっかけとして試験に挑戦してみるのも悪くはない。
特に資産持ちの方は、税や不動産や相続・贈与などは知っていると知らないとでは、大きな差が出ることもあるだろう・・。
(参考)
★ 定年力検定
一般社団法人 日本定年力検定協会
★ 過去の問題例
知っているようで知らなかったりする・・