tomohappiestの日々是雑感

日常生活でのふとした出来事から大イベントまでその時感じたことを書いていこうと思っています!!

ずるい考え方(ラテラルシンキング)

 たまたま図書館の返却棚を眺めて目に留まり手に取った本だったが、具体的な事例を交えてとても読みやすく、通勤時間でも手軽に読めた。
 完読して、この本に偶然に出会い、無料でしかも豊かな発想を持つヒントを得られたことが、私にとって最小の経費で最大の効果をもたらした。
 
 
 お金がない、無駄な努力が嫌いなどの制約の中でも、何とかアイデア(創意工夫)で打開する考え方のヒントが詰まっている。
仕事(特に公務員の世界)では、法律や条例や規則や要綱などに基づいて仕事をするので、創意工夫できる部分は他の業種に比べると少ないかもしれない。しかし、どこの職場でも必ず直面する身近な問題である事務改善1つとって見ても、少し考え方(見方)をかえると新たなアイデアが出てくる。
 
 ビジネスでは、効率性、費用対効果など最小の経費で最大の効果を目指ことが経営・事業改善で求められるだろう。
 
 著者は、ずるい考え方(ラテラルシンキング:水平思考)をつぎのとおり定義している。
①常識にとらわれず、自由な発想を可能にする考え方
②最短ルートで問題を解決する考え方
③お金や時間をかけずに目的を達成してしまう考え方
 
 仕事柄、計画を作成したり、住や議員の質問への回答など理詰めで深く突き詰めるロジカルシンキング(論理的思考)に慣らされてきた。しかし、考え方に行き詰ったときなどに思考の幅を広げ枠組みにとらわれず、俯瞰(第3者の視点)して自由に発想する方法は、住民の視点に立って考える顧客満足出を高める視点でもとても大切な考え方だろう。どうして習慣や常識などしがらみ(バイアス)が自由な発想の邪魔をしてしまうので、ゼロベースで、公序良俗に反しない程度に常識を疑うことも必要なのかもしれない。
 
事例
Q1 コンサート会場など殺到する入場者を安全に入場させる方法は?
 
A ・警備員を増員する。
  ・ゲートを大きくする。
  ・入場者制限をするための柵を作る。
 
ラテラルシンキング(お金や時間をあまりかけない発想)では・・
A 考えてみてください
 
Q2 5個のオレンジをできるだけ平等に2人で分ける方法は?
 
A ・2個ずつ分けてあまった1個を2等分する
  ・はかりを使って同じ重さになるように切って分配する
 
ラテラルシンキング(お金や時間をあまりかけない発想)では・・
A ・ジュースにして量を測って分ける(加工してはいけないという条件はない)
  ・2個ずつ分けてあまった1個を切って2等分するが、きらなかったほうが先に選ぶ。(重量では平等ではない   が、お互いの公平感(満足度)は満たされる。
  ・考えてみてください
 
番外編(5個のオレンジという条件には反するが)  
A 現物のオレンジの種を植えて、たくさん実ってから分ける(投資家の発想)
 
  
 実際の企業で直面した問題をずるい考え方で解決した事例も紹介されており、頭の体操にも役立つだろう。
 思考の幅を広げたい方にはお勧めの本。思わぬ効用で、発明家への道も近づくかも?しれない・・
 いいアイデアが浮かんでも、年のせいか?すぐに忘れてしまうので、文明の利器に頼って、プライベートではボイスレコーダーを肌身離さず持つようにしようかな。
 
(参考)
 
 
【目次】
はじめに
■第1章 ようこそ!ラテラルシンキングの世界へ
ラテラルシンキングってどんな思考法?
13個のオレンジを3人で分けるには?
なぜ、ラテラルシンキングが必要なのだろう?
あなたの身近にあるラテラルシンキング
 
■第2章 ラテラルシンキングに必要な3つの力
疑う力 固定観念を打ち破る? 
抽象化する力  物事の本質を見抜く 
セレンディピティ  偶然の発見を見逃さない 
 
■第3章 最小の力で最大の効果を出す
努力しないで大きなリターンを得るには?
ケース1 小さな工夫で定時離陸を実現した航空会社
 
■第4章 相手の力を利用する
弱者が生き抜くための3つの方法
ケース1 トップ企業にはりついた化粧品メーカー
ケース2 「業界第2位」をアピールしたレンタカー会社
 
■第5章 異質なもの同士を組み合わせる
新しい価値は「組み合わせ」から生まれる
ケース1 スティーブ・ジョブズのマッチングセンス
ケース2 ユニークな喫茶店 成功の秘密

■第6章 先の先を読む
目先の利益だけを追求しない
ケース1 やがて生まれる需要に賭けた松下幸之助
ケース2 未来の世界を見通したトーマス・エジソン
ケース3 有利な報酬を選んだジョージ・ルーカス
 
■第7章 ムダなものを捨てない
ムダなものは本当にムダなのか?
ケース1 タダのものを生かした浅野総一郎式ビジネス
ケース2  “もったいない″がもたらしたノーベル賞
 
■第8章 マイナスをプラスに変える
「ダメな部分」に隠れている宝物を探そう
ケース1 小林一三の逆転発想
ケース2 夕張市負の遺産」を学ぶツアー
 
■第9章 ラテラルシンキング力を試してみよう
Q1 何もない宿泊施設 Q2 ある喫茶店主の深い悩み Q3 海外から押し寄せる質問メール Q4 新しい調味料を売る方法
 
おわりに
■コラム [ラテラルシンキングの練習]
1/ブラックボックス
2/ホンミャラ人との対話
3/制約発想と自由発想
4/着ぐるみシンキング
5/広告ミックス
6/先読みイマジネーション
7/廃棄物マッチング
8/スーパー・ポジティブ思考