tomohappiestの日々是雑感

日常生活でのふとした出来事から大イベントまでその時感じたことを書いていこうと思っています!!

被災者が語る東日本大震災を聴講して

 忘れもしない東北大震災から2年が経過した。まだ記憶に生々しいが、これから時がたつにつれ風化していってしまう危険がある。
 
 震災後1年目は、マスコミも一斉に報道特集を組んでいたが、2年目の今年は、昨年に比べると報道時間もかなり短かったような気がする。
 そして直接の被害にあっていない国民の多くは震災後について関心が薄れてきているのかもしれない。 
 
 去る3月14日(金)、被災者が語る東日本大震災の講演会を聴講した。
聴講したいと思った理由は2つあった。、1つはチラシに津波にのまれ民家の屋根につかまりながら11時間も流された後救助されたという講師(杉本 孝司氏)の体験談とその後の活動や今の気持ちについて率直に知りたいということ。2つ目は、我々ができる範囲で被災者のためになることはなんなのかを知るきっかけになるのではという気持ちからだった。
 
 おそらく、2度と思い出したくもない壮絶な体験ばかりだったと思うが、今もPTSDに悩まされながらでも全国各地で講演をしている。
 その思いは、1人でも多くの人に東北大震災の被災者の置かれている立場や真実を知ってもらうことと、この事実を忘れないでほしいという思いからだそうだ。
 
 講師は震災前に造船会社で危機管理の担当責任者をしていた関係もあるが、多くの犠牲者が出た中、運よく自衛隊衛隊に救助され生きながらえた命なので、今だに家族の生死も分からず不安と恐怖におびえる方たちのためにも、家族の安否確認をするより前にボランティアとして遺体の確認作業を手伝っていたそうだ。
 被災者の中にも家族を亡くしながらも仕事やボランティアとして復興活動に携わっていた方もいた。
 
 講師の中でも今でも葛藤していることは、東京での生活を拠点として講演活動や復興活動をするよりも被災地に戻って生活し、復興活動をしていくべきではないのかということ。
 しかし、今は1人でも多くの方に震災がもたらす影響や被災者の暮らしの真実を知ってもらい、この震災を忘れないでほしいこと、そして1人ひとりができる範囲で東北復興のためにやれること(被災地原産のものを購入したり、旅行に行ってお金を使ったり、募金したりすることで東北の経済活性化の支援や1人暮らしの方の話し相手になることなど人との絆をつなぐ支援) を促すこと、日本や東北の復興に大きな力となって多くの犠牲者のもとで運よく生きながらえたこの命をかけてすることだと思っているそうだ。
 
 被災者の生活に関する真実が報道されていないことに関しては憤りを感じているそうだ。
 震災後、空き家や遺体から略奪行為があったことやボランティアと称して略奪行為に走るものや今でも仮設住宅の孤独な生活に耐えきれず自ら命を絶つ者がいるいることなどはあまり表だってマスコミは伝えていないことなど。
 現在希望を持って生活再建している人たちに配慮してなのかもしれないが、うがった見方をすれば真実を隠して政治の無策に対する批判をかわすため世論を統制しているともとられかねない。
 
 人は人がいなければ生きていけないと実感したそうだ。誰とも会話しない時間が長く続くと孤独感や不安が増幅し情緒不安定となり精神的なバランスも崩れやすくなる。大切な家族を失い、家を失い、狭い仮設住宅で生活背座瑯得ない方がまだたくさんいる。彼らへの精神的なケアや一刻も早く仮設住宅から脱却できるよう震災施策を進めてもらいたい。
 震災復興のために使われているはずの税金が実は復興関連と称して直接的には関係ないところに使われていた。今後は東北の復興のみに使われるが、政治家はもっと自分が被災者の立場だったらと考えて優先順位をつけて計画的に復興支援対策を実行していってもらいたい。
 また、子供たちが学校でいじめにあうこともあったそうだ。もし自分が逆の立場だったらどう思うかを考えさせる教育が必要だろう。
 
 講師は震災後から今まで心から笑えたことがないそうだ。しかし、東北が復興して被災者も安心安全に暮らせるようになったときかわからないがいつの日かPTSDから解放され自然に笑えるようになる日が来ることを願っているとのこと。
 
この体験をわかるのは難しいが、この講演の内容を1人でも多くの方に伝えるために自分にできることの1つとしてブログに書かせていただいた。どのくらいの方に読んでもらえるのかわからないが。