前回は、問題解決の方法をわかりやすく体系化(マクロの視点)したが、今回は、ロジカルシンキングについて、もう少し詳しくみていきたい。
そこで、かなり昔に、ロジカルシンキングの研修で習ったことを書いてみようと思う。参考になるかわからないが、入門編として、学習するいいきっかけになれば幸い!
1.ロジカル・シンキングとは
まずは、つかみとして考えると悩むの違い(イメージ)を、数人に聞いた。受講者の回答は、以下のとおり。
考える
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悩む
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解決
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保留
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プラス
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マイナス
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理性
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感情
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次に何をしよう
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どうしよう
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前向き
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後ろ向き
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前に進む
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立ち止まっている
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ある程度答えが出尽くしたところで、講師がプラスとマイナスの軸を決めてフレームを作ってまとめに入った。(マインドセット法)
軸をはっきりさせ同レベルの対比する言葉で回答すると、聞いているものはストレスを感じずにすんなりと理解できるということを学んだ。
(悪い回答例) 考える・・具体的、悩む・・立ち止まっている
軸
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考える
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悩む
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事実得の反応
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理性的
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情緒的
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物事の判断
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論理的
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場当たり的
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問題への対応
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具体的
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あいまい
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仕事
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成果をあげやすい
決断が簡単
頼りにされる
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成果をあげにくい
決断が難しい
頼りにされない
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ロジカルシンキングの入り口は、考えること。
次に、下記の内容を質問。なかなか思考を休ませてくれない。皆さんも自分が何個当てはまるかチェックしてみてください。あなたが悩むタイプか考えるタイプかがわかります。(チェックの数が多い人ほど悩むタイプです。)
1
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結論を出すのに時間がかかるほう
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2
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考えようとすればするほど頭の中が混乱する
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3
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問題に対してうやむやにしたり、先送りしがち
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4
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自分が決めなくてもだれかが決めてくれることが多い
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5
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決めた後に公開することが多い
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6
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ぼーとするのがすき
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7
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ものごとを「すき」とか「きらい」、「いやだ」など感情でとらえがち
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8
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いつもなんとなく不満を抱えている
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9
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どうしようが口癖
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10
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ものごとの起こった背景や原因をつかむのが苦手
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人は何かに依存した時点で、突然「悩む」!
悩むとは
自分なりの【結論(仮説)】がなく、なにかのせいにして「できる」「できない」を前提に思考すること。
考えるとは
自分なりの【結論(仮説)】をもち、「自分だったらどうすればできるか」を前提に思考すること。
自分で決めて動くこと。(成果を生みやすい)
●きれいにまとめたところで、さらに講師から「ロジカルな人(わかりやすい人)は誰か?」という質問が投げかけられた。否が応でも講義に集中する。3分考えて(悩んでいる人が多かったが・・)、数人が回答した。名前をあげると・・
・古田(ヤクルト):データを重視、冷静に判断しそう
・古舘一郎(フリーアナウンサー):視聴者にわかりやすい言葉で説明して いる。
講師が想定してきた人物は・・
・石原慎太郎:実行力がある。思考がはっきりしている。(何を考えている かわかりやすい)
・イチロー:緻密。もう少し努力すれば達成できる目標をたてて実行する。(ストレッチ法)
・松本ひとし:番組を見るかぎりあまりロジカルな人(わかりやすい人)には思えないが、彼の書いた本を見ると、笑いを哲学的に分析し、わかりやすい。(受講生かなり不納得)
・カルロスゴーン:実行力、目標設定、短いメッセージ(日産180)などを用いて目的共有の仕組みをつくるのがうまい。(受講生一同納得)
軸を決めてフレームを作って言葉のレベルを合わしてまとめたのが下記の表
軸
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ロジカルな人
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ロジカルでない人
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思考・マインド
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・ポリシーが明確
・考える人
・ポジティブ
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・ ポリシーが不明確
・ 悩む人
・ ナガティブ
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行動・スキル
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・声がでかい
・言い切る
・データに強い
・整理思考
・ 一つの話が端的
・ 結論から
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・ 声が小さい
・ 語尾を濁す
・ データに弱い
・ 感情志向
・ 一つの話が冗長的
・ 状況から
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わかりやすい人 わかりにくい人
● 以下の質問の文章がロジカル(わかりやすい)か、演習した。
Q1:金融ビックバンで海外の金融機関が市場参入してくることにより、上位企業がつぶれて後発のわが社にチャンスが来るので人を採用しよう。
A:結論:人を採用しよう
根拠①日本で金融ビックバンが起きる(事実)
根拠②海外金融機関が市場参入する(法則)
根拠③上位企業がつぶれる(推測)
根拠④わが社にチャンスが来る(想像)
疑問点 上位企業がつぶれるだけ?
疑問点 自社のチャンスになる?・・脅威は
疑問点 チャンスだと人採用?・・他に選択肢はないのか
Q2:A社が価格を下げて営業利益を伸ばしているのだから、わが社も思い切って価格を2%下げることにより、利益率が改善されるはずだ。
A:結論:利益率が改善されるはずだ。(不明確な結論)
根拠①A社が価格を下げて営業利益を伸ばしている(事実)
根拠②わが社も思い切って価格を2%下げることにより、利益率が 改善されるはずだ(推測)
疑問点 A社が価格を下げて営業利益を伸ばしていても、わが社が 価格を下げることで本当に利益率が改善されるの?
疑問点 なぜ2%なのか?
A:結論:女性が社会進出をしなくてもすむような仕組みが必要だ
根拠①日本は超高齢者社会がやってくる(事実)
疑問点②女性が社会進出をしなくてもすむような仕組みがあれば、出生率が下がるのか。
●3つの質問は、結論と根拠の間に納得性がない!
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ロジックとは、結論と根拠のつながり
論理学とは、「結論」と、その結論を導くため
に提示される【根拠(証拠)との関係性を扱う学問 |