「あなたの好きな映画(洋画)はなんですか」とよく尋ねられる。
この質問が映画大好き人間としては、うれしくもあり、最も回答しづらい質問である。名前を挙げればきりがない。私と洋画との出会いは、中学時代に見た「ローマの休日」。オードリーの妖精キュートでファニーフェイスな王女とダンディーなグレゴリーペック扮する新聞記者にあこがれた。おそらく私の外国人の初恋相手はと問われれば、スクリーンの中の彼女だろう。
そのときのなりたい職業は、学校の先生か新聞記者だったと記憶している。
高校時代は、洋画とはほぼ無縁の生活をしていたが(私の高校時代を参照)、
転機は大学時代に来た。
外国人サークルに所属したことがきっかけの1つかもしれないが、授業の空き時間などに、大学の図書館で当時LD(レーザーディスク)見たのが洋画との出会いだった。アカデミー賞受賞作品など古いモノクロ映画をたくさん所蔵しており、1度見始めると面白くて、やみつきになった。初めは授業のあき時間に図書館へ通ったが、いつの間にか授業と洋画鑑賞と天秤をかけるようになり、授業の出席率が悪くなってしまった。(後の留年につながった・・)
単位は遠のいたが、自然と生きた英語を学べ感受性も養うことができた。
ジャンルも戦争、歴史、サスペンス、コメディー、恋愛、社会派、それらを総合したものなど多岐に渡って鑑賞した。
おのずと、好みもわかってきて、私は、社会派とサスペンスとロマンチックコメディーにはまっていった。
サスペンス(特に巻き込まれ型)といえば、アルフレッドヒッチコック。単純に物語りに引き込まれる。彼のカメラワークや小物の使い方など映画を作る立場の人にとってもお手本になるものがある。また、各作品に彼自身も登場したりと遊び心もある。
脚本はすばらしいが、それとともにヒッチコックお気に入りの絶世の美女が作品に登場する。ジョーン・フォンティン、イングリッドバーグマン、グレースケリー(故モナコ王国王妃)など。巻き込まれ型の作品では、一緒に敵から逃げていると錯覚するだけでも幸せな気分を味わえた。映画って本当にいいですね。(どこかで聞いたせりふ)
私が見たヒッチコック作品のなかで、お勧めのものを以下に記す。1つ1つ解説していたら日が暮れるので、実際に見てもらえたらと思う。
『三十九夜』 (1935)
『間諜最後の日』 (1936)
『サボタージュ』(1936)
『バルカン超特急』 (1938)
『レベッカ』 (1940)
『断崖』 (1941)
『逃走迷路』 (1942)
『疑惑の影』(1943)
『白い恐怖』 (1945)
『ロープ』(1948)
『舞台恐怖症』(1950)
『見知らぬ乗客』(1951)
『私は告白する』(1953)
『ダイヤルMを廻せ!』(1954)
『裏窓』 (1954)
『泥棒成金』 (1955)
『ハリーの災難』 (1955)
『知りすぎていた男』 (1956)
『間違えられた男』(1956)
『めまい』 (1958)
『北北西に進路を取れ』 (1959)
『サイコ』 (1960)
『鳥』 (1963)
『引き裂かれたカーテン』 (1966)
ロマンチックコメディーといえば、代表的な巨匠にビリーワイルダーとウィリアムワイラー監督が挙げられる。
チャップリン、オードリーヘップバーンをはじめ、映画界の功績を残す人に、ユダヤ人が多い。戦前ナチスの迫害から逃れ、アメリカなどに亡命している。その頃のつらい記憶もあるのか、対極に位置するこの分野に力を注いだのかもしれない。私はこの分野が1番好きで、ここに挙げた人などは、いまでも敬愛している。
私にとってビリーワイルダー監督といえば、「アパートの鍵貸します」。
この作品で、ジャックレンモンとシャーリーマクレーンの切ない中にも笑いもあるやり取りがたまらなく好きだった。マイガールなどの韓国ドラマにはまったのも、この作品が私の原点かもしれない。ぜひ見てもらいたい。
その他、ヘップバーン主演の「麗しのサブリナ」、マリリンモンロー主演の「お熱いのがお好き」、シャーリーマクレーン主演の「恋人よ帰れ!わが胸に
」などもロマンチックコメディーの王道を行く作品で、印象に残っている。
ウィリアムワイラー監督作品といえば、「ローマの休日」。この作品に出会ってから、彼の監督作品や彼女の主演作品を見まくった。
好きな俳優・女優や映画作品については、次の機会に書こうと思うので乞うご期待!
お勧めのものを以下に記す。
嵐ケ丘 (1939)
探偵物語 (1951)
ローマの休日 (1953)
必死の逃亡者 (1955)
大いなる西部 (1958)
ベン・ハー (1959)
噂の二人 (1961))
おしゃれ泥棒 (1966)
●最後に、私の映画愛を決定付けた作品を紹介したい。もうすでに見た方も多いと思うが、「ニューシネマパラダイス」。おそらく、映画が好きな人なら、この作品を見て涙しない人はいないのでは・・と勝手に思っている。それほど、主人公のトトとアルフレード(映写技師)との心温まる交流から、有名な映画監督として故郷のシチリアにアルフレードの葬儀で戻ってきて、彼からの最高のプレゼントを彼が守ってきた映画館で見る。あの有名な切ない音楽に乗せて・・。
これ以上話すと、ストーリーがばれてしまうので、とにかく、映画好きなら一度は見てほしい、私一押しの作品。アルフレードの映画愛が映像からにじみ出ていて、最後のシーンは、トトとともに涙した。アルフレードの映画へのオマージュだったのだろう。
【参考】
ニューシネマパラダイスの音楽 Ennio Morricone 作曲(映像)
http://www.youtube.com/watch?v=FlqaunpO0ns