tomohappiestの日々是雑感

日常生活でのふとした出来事から大イベントまでその時感じたことを書いていこうと思っています!!

なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?

  ビジネスの世界では論理的に考える事が求められる場面が多い。イメージ 1
 しかし、現代社会では問題の構造が複雑で単純に目の前の問題に対する解決策を考えただけでは、その場は一端解決しても、他の要素と複雑作用して時間とともに逆効果となるなることもある。状況や問題を要素のつながり(システム)として把握することが大切だという『システム思考』を手助けする『ループ図』に出会った。
 
 企業の利益をあげるという命題に対しても、利益=売り上げ+コストとわけると、売り上げを伸ばしコストを下げることが求められる。売り上げは、価格と数量、コストは固定費(人件費、アウトソーシングなど)、変動費(物流コスト、原材料コスト、仕事の効率化など)の変数を変える努力をすることになる。
 理論的には、そうなれば書き行の利益は上がるはずだが、何事も時間ともに副作用?が生じる。
 リストラをすれば、確かに固定費は下がるが、生産量が落ちる、リストラの恐怖に職員のモチベーションが下がることも起こる。
 また、アウトソーシングを進めたはいいが、仕事が軌道に乗るまでかえって職員の手間が増えることもよくある。
 
 交通渋滞解消を図るにはどうすればいいかと問われると、道路の時間当たりの通行量が少ないから渋滞すると考え、道幅を広げる(複数車線にする)と発想する。
 短期的には、道路拡張⇒道路容量が増える⇒渋滞が減るとなるが、しばらくすると今まで渋滞を避けて利用していなかった車が利用するようになり渋滞解消とならない場合が大都市では多い。
 
 問題と解決策は1対1で対応すると思い込んでしまうが、解決策だと思ったことが、さまざまな作用を通じて時間の経過とともにかえって問題を大きくしてしまうことがある。
 先の例で言えば、道路の容量アップすれば車の台数も増えるという要素も出てくる。今まで公共機関を利用していた人も車を使うようになる確率が上がる。
視点をずらして、全体の構造を考えるとどんな要因が考えられるだろうか。
ループ図で考えると・・
 
道路建設ループ
道路渋滞⇒渋滞解消の圧力⇒道路建設⇒道路容量増加⇒道路渋滞
 
交通量増大ループ
道路建設⇒自動車利用の魅力⇒自動車保有台数・利用頻度増⇒道路交通量増⇒道路渋滞
 
都市圏拡大ループ
道路建設⇒通勤圏の拡大⇒郊外の住宅開発⇒圏内の人口増加⇒道路の交通量増
 
公共交通機関離れループ
自動車利用の魅力⇒公共交通機関利用者減⇒公共交通機関の利用料金上昇⇒公共交通機関の魅力減
 
 
 そこで、道路の容量を減らすには、バス専用レーンを作る、自動車利用の祖魅力を下げるために混雑税の導入など世界の大都市では導入されている。
 なかには、道路容量を増やす事の反対で、障害物を設け制限速度を守らせるように働きかける事で、歩行者の安全や交通量を減らすことに作用させる事例もある。
 
 公共機関が発達している首都圏と地方など状況による違いがあるが、渋滞解消⇒道路建設だけで思考が止まらないように常に全体を俯瞰して物事を考えるようにしたい。
 
 1つの物事を解決しても全体の解決に至らないということがよくある。ルービックキューブのように1面すべて同じ色にそろえたと思ったら、他の面がばらばらになっているという経験をしたかたもいるだろう。(ルービックキューブを市知らない世代の方には何の事だかわからないかな・・)
 
 状況や問題を要素のつながり(システム)として把握することが大切だという教訓にもなる。ロジックツリーなどであらゆる角度から問題を分析し全体から問題を眺めることが重要だろう。
 何か問題に直面したときどうすればいいか、ロジックツリーを書いてみるなどして系統立てて物事を捉え、個々の要素間の関係性や時間の経過などを考えることが大切だと再認識した。
 
 
(参考)